お香の原料
お香は多種多様な原料の調合によってつくられますが、一般的なものは、基礎材として椨粉(タブコ)(※1)に香料を混ぜ合わせ色をつけて製造されます。
香料は、植物性のものと動物性のものに大きく分けられます。
天然の香料には、以下のものがあります。
- 人為的に増やせない植物性の伽羅や沈香、動物性の竜涎香(リュウゼンコウ)や麝香(ジャコウ)など
- 人為的に増やせる白檀・桂皮・丁子などの生薬
- 香水などにも使われるローズや柑橘系の香油など
薫寿堂で使用している香料は、IFRA(※2)等が定める実施要綱に準拠したものを使用しています。

- 東南アジアなど暖かい土地に産する常緑樹である椨の樹皮を乾燥し、粉末にして使用したもの。ほとんど無臭で香木・香料を添加しても香りを損なわず、水分を加えると粘りも出るため、つなぎの役割として広く使われています。

- International Fragrance Associationの略。世界的規模で、人や環境に対しての安全性を自主規制(実施要綱の制定:香料の使用基準・使用制限、使用禁止など)という手段で確保する団体です。
基材
椨(タブ)

- クスノキ科の常緑高木で別名「イヌグス」ともいう。
この木の樹皮を粉にし、お香やお線香の基材・つなぎとして利用する。
炭粉末(スミフンマツ)

- 木炭等を粉々にしてパウダー状にしたもの。
煙の少ないお香やお線香の基材として使用される。
香木
沈香(ジンコウ)

- ベトナムやインドネシア、インドで産出されるジンチョウゲ科の常緑高木。
木部に分泌・蓄積された樹脂を乾燥させたもの。
原木は非常に軽いが、樹脂 - が沈着することで水に沈むようになり、その名前の由来となった。
伽羅(キャラ)

- 沈香の一種で、その最上品が「伽羅」として考えられ、非常に貴重なもの。
独特な芳香を放ち、香道に使用される主な原料となっている。
白檀(ビャクダン)

- インドやインドネシアで多く産出されるビャクダン科の半寄生常緑高木。
インド・マイソール州の白檀が最高品質とされ「老山白檀(ロウザンビャクダン」と呼 - ばれている。
香料のほか、仏像や扇子、念珠等の原材料としても使用されている。
生薬(植物性香料)
大茴香(ダイウイキョウ)

- 中国南部やインドシナ半島北部などに自生するモクレン科の常緑灌木の果実を乾燥させたもの。
八つの角のような形をしていることから「八角(ハッカク)」 - 「スターアニス」とも呼ばれて、香辛料や健胃剤としても使われている。
桂皮(ケイヒ)

- 中国南部やベトナムなどに産するクスノキ科の常緑高木の樹皮を乾燥させたもの。別名「シナモン」。
日本では同属の植物「ニッケイ」の根皮から製する日 - 本産桂皮を産出する。
食品香料のほか、健胃剤、解熱剤としても使われている。
丁子(チョウジ)

- インドネシアなどに産するフトモモ科の常緑香木の花蕾を乾燥させたもの。
別名「クローブ」。
香辛料として広く用いられている。
龍脳(リュウノウ)

- インドネシアなどに産するフタバガキ科の常緑高木から採取される結晶状のもの。
防虫剤や防腐剤として古くから使用されている。
甘松(カンショウ)

- 東インドや中国などに産するオミナエシ科の多年草の根や茎を乾燥させたもの。
別名「スパイクナード」。
聖書の中でマリアがイエスの足に塗ったとされるもの。
動物性香料
麝香(ジャコウ)

- 中国雲南地方・四川省やチベットに生息する雄のジャコウジカの香嚢(包皮腺)を乾かしたもの。
一頭で約30gしか採取できず、非常に高価。 - それ自体は強い悪臭を放つが、微量を溶剤で希釈すると芳香を発する。
※1973年ワシントン条約により輸入が禁止されている。
竜涎香(リュウゼンコウ)

- アフリカ・インド・スマトラ・日本・ブラジルなどの海上で発見されるマッコウクジラの腸内に発生した病的結石と考えられる異物を乾燥させたもの。
- 別名「アンバーグリス」。
保存剤や保香剤として用いられている。
※1986年商業捕鯨が禁止されたため、現在は入手困難になっている。
貝香(カイコウ)

- 主にアフリカに産する巻貝の蓋。
熱を加えることにより芳香を発し、香りを長持ちさせる保香剤として用いられている。
その他香料
ラベンダー

- 紫色の米粒ほどの花が夏になると咲き清々しい芳香を発する。
ローマ人によって広められ、エリザベス1世朝以降のイギリスでは、衣服に香りを付 - けたり、頭痛・風邪などを治すために用いるなど広く利用されていた。























